グループホームとは、一言で言えば『認知症の方を専門にお世話をする老人ホーム』です。
元々は特別養護老人ホームへの繋ぎとしての意味合いの強い老人ホームでしたが、最近は看取りケアも相談可能なグループホームも増えています。
グループホームの入居条件
グループホームは、誰でも入れるわけではありません。下のような入居の条件があります。
<グループホームの入居条件>
①医師からの認知症の確定診断が必要
②要支援2または要介護1~5の介護認定が必要
③原則、入居前のご本人の住所所在地が入居先施設と同じ市区町村であること
④少人数による共同生活に支障がないこと
認知症の確定診断が必要
グループホームの入居条件として、医師の先生から認知症の確定診断があることが、1番の前提条件となります。
医師の先生とは、主にかかりつけの内科医または精神科医が該当します。
できれば認知症の専門家である精神科医に診てもらえることが理想ですが、今は全国的に精神科の初診は予約が取るのが大変です。
認知症についてはまず、かかりつけの内科医の先生に相談してみましょう。
原則、今の居住地と同じ市区町村のグループホームが対象
2006年の介護保険法の改正後から、グループホームは地域密着型サービスに位置づけされており、入居前の利用者本人の居住地と同じ市区町村では無くてはなりません。
他の市区町村からグループホームへ入居する場合は、原則として住民票を入居先の市区町村の家族の居住地の住所へ住民票移した上で、居住歴が3ヶ月経過した時点で入居資格が発生します。
しかし、行政によっては例外的に家族の居住地の住所へ住民票を移すことを条件に、居住歴が無くてもグループホームへ入居ができる場合があります。ケースとしては多くありませんので、まずは市区町村の役所の介護保険課に確認してみましょう。
グループホームでの生活イメージ
グループホームは、家庭的な環境の中でスタッフの見守りがありながら、できることは自分で行いながら、他の入居者と共同で生活をしていきます。
活気のある、通所施設のデイサービスとはまた雰囲気が違い、どちらかと言うとまったりと穏やかな雰囲気のホームが多いです。
一方で、イベントやレクリエーションを日々積極的に行っているグループホームもあります。
グループホームの注意点
グループホームは認知症の方を受け入れができ、見守りがあるという点で、選ばれる方も非常に多い老人ホームです。しかし万能な老人ホームではなく、下記のような注意点があります。
<グループホームの注意点>
①デイサービスや福祉用具のレンタルなど、他の介護保険サービスとの併用ができない
②原則、医療行為は行えない
③認知症の方でも性格やライフスタイルによって合わない方もいる
デイサービスや福祉用具のレンタルの介護利用はできない
グループホームは、基本的に認知症ケアを中心に介護を行っていき、その部分に介護保険が適用されます。
そのため、デイサービスや、車椅子や介護ベッドなどの福祉用具のレンタル等、自宅やサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)、住宅型有料老人ホームでは介護保険が適用できるサービスが、介護保険の適用外となります。
車椅子や介護ベッドなどの福祉用具のレンタルは実費であればできますが、デイサービスに関しては、原則として利用そのものができません。
原則、医療行為は行えない
グループホームは医師の指示の元、医療行為を行える看護師が基本的に不在となります。
そのため、インスリンの注射や胃ろうなどの医療行為が必要な場合、原則として入居する事ができません。
グループホームと相性が合わない可能性がある
グループホームは認知症であれば、誰でも相性が合うというわけではありません。
下のような方だと、グループホームは相性が合わない可能性があります。
<グループホームが合わない可能性がある人>
・マイペースな性格
・人付き合いが苦手
・(利用してから)デイサービスを嫌がっていた
このような場合は、グループホームだけでなく、生活の自由度やプライバシーがもっとある、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅も選択肢に入れる必要が出てきます。
まとめ
<グループホームのまとめ>
①グループホーム=認知症の方専門で受け入れる老人ホーム
②見守りがあってスタッフとの距離が近い
③医療行為が必要な方は原則入居できない(例外はあり)
④認知症の方でも性格的に合わない場合がある