全国で老人ホームの紹介会社が急増している今日この頃。スマホがあれば誰でも参入できるという低いハードルのため、業者によっては仕事の質に大きなバラツキがあります。筆者はとある地域で数年にわたりこの仕事をしていますが、老人ホームの窓口の方から他の紹介会社の話を伺った際に、なんて質の低い仕事をしているんだ…と絶句したこともあります。
この記事では、そんな多種多様な紹介会社の中から、信頼できる業者を見極めるポイントをお伝えします。
良い紹介会社の特徴
1. 話をしっかりと聞いてくれる
良い紹介会社は、お客様の話をしっかりと耳を傾けます。高齢者やその家族が何に困っているのか、今後どのような生活を望んでいるのか、どのようなサービスや施設が必要なのかを同じ目線で真剣に考え、困り事の解決や今後の希望に添えるよう、適切な提案を行います。
2. 施設見学に同行してくれる
施設の見学は非常に重要なステップです。良い紹介会社は、この見学に同行し、現地での疑問や不明点をすぐに解決できるようサポートします。
3. まめなコミュニケーション
紹介後も適宜連絡を取り、フォローを行うことで、入居後のトラブルを未然に防ぐなどのサポートを提供しています。
4. メリットだけでなくデメリットも伝えてくれる
良い紹介会社は、提案された老人ホームの良い点だけでなく、デメリットや懸念点もしっかりと伝えます。これにより、総合的に納得のいく判断ができます。
危ない紹介会社の特徴
1. 施設見学に同行しない
やむを得ない事情を除き、さも当たり前のように施設見学に同行しない会社は要注意です。
2. 特定の老人ホームだけを強く推してくる
話や希望を十分に聞かず、一方的に特定の施設を推す行動は、その業者が信用に値しないサインかもしれません。そのような紹介会社は、利用者本位でなく、「老人ホームの利用者の紹介手数料を多くもらえる」からその老人ホームを推していることが多いと推察されます。
3. 老人ホームへの態度が横柄
紹介会社を通じて老人ホームを探している最中に、紹介会社によっては老人ホームに対して、上から目線の態度で『利用者を紹介してやる』的な、横柄な姿勢を見せることがあります。施設を探しているプロセスでこのような態度に遭遇した場合、速やかに別の業者に相談をすることを検討することが賢明です。
4. 見学先の老人ホームに入居希望者の情報が名前や年齢、介護認定しか伝わっていない(超重要!)
まともな仕事をしている紹介会社は、老人ホームの見学を行う前に、入居希望者の名前や年齢、介護認定だけでなく、必ず老人ホームを探すに至った背景や現在の問題点を伝えます。お取引をしているとある老人ホームの窓口の方からお聞きしたところによると、入居希望者の名前や年齢、介護認定しか伝えていない、素人でもできるような極めてレベルの低いクオリティの仕事をしている紹介会社もあるようです。
情報の伝達度を見極める目的で、見学開始時に必ず、老人ホームに対してどこまで自分たちの情報が伝わっているかを確認しましょう。
名前や年齢、介護度などしか見学先の老人ホームに伝わっていない場合、相談した紹介会社からは本当に自分たちの希望に合った老人ホームを提案されておらず、紹介会社の利益になる(紹介料を多く払ってくれる)老人ホームだけを提案されている可能性が極めて高いです。
大手=良い紹介会社ではない
老人ホームの紹介業という仕事は、ここ20年ぐらいの急激な老人ホーム需要に伴い生まれた業界であり、お世辞にも他業種に比べて整備されている業界とはとても言えません。
紹介会社は不動産の宅建のような資格や免許も必要なく、そのため事業拡大も比較的容易となっています。
相談員が多い大手だから良い紹介会社という訳ではなく、相談員が多いからこそ、明らかに利益主義に走っていると思われる紹介会社も散見されるので、よく見極めが必要です。
町の不動産屋さん的な地域に根差した紹介会社
全国各地に、狭い地域にあえて絞って運営している紹介会社も数多く存在します。そのような紹介会社は、地域を絞っているからこそ知りうるディープな情報を持っている場合も多いです。
地方に行くほどその傾向は強く、まずは町の不動産屋さんのような、地域で信頼されている紹介会社に相談するのがおすすめです。
疑問を感じたら?
もし紹介会社の対応に疑問を感じたら、セカンドオピニオンやサードオピニオンを求めることも一つの手です。複数の紹介会社と話をすることで、より正確な判断が可能となります。
まとめ
良い老人ホームを見つけるためには、そもそもの老人ホームの紹介会社の選び方が非常に重要です。
この記事で紹介したポイントを参考に、しっかりと業者を見極めてください。