住宅型有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅の違いと共通点

高齢者向けの住まい選びは、自分自身や家族にとって非常に重要な決断です。特に「住宅型有料老人ホーム」と「サービス付き高齢者向け住宅」は、どちらも高齢者が安心して生活できるホームですが、その特性や提供するサービスには個々に違いがあります。この記事では、それぞれのホームの特徴と共通点について解説します。

目次

住宅型有料老人ホームとは?

住宅型有料老人ホームは、主に介護が必要な高齢者が対象です。基本的に、介護職員が24時間体制でサポートを提供しています。自立の方から介護が必要な方まで、様々な方が共同で生活しています。

※写真はイメージです

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とは?

サービス付き高齢者向け住宅、通称「サ高住」は、2011年に「高齢者の居住の安定確保に関する法律(高齢者住まい法)」の改正に伴い創設された、「高齢者の専用住宅」という位置づけです。介護が必要な方だけでなく、自立している高齢者も入居対象となっているホームもあります。こちらも多くの施設で24時間体制のサポートがあります。

1日1回の安否確認と、身近な生活の相談ができる生活相談員と呼ばれるスタッフの配置が義務付けられています。

※写真はイメージです

共通点と違い

住宅型有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅は結局何が違うの?という話ですが、結論から言うと、大枠で見ればほぼ一緒です。

共通点

住宅型有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅の共通点は多いです。

<住宅型有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅の主な共通点>

多くのホームで24時間介護職員が常駐している。

明確な人員配置基準はなく、日中や夜間のスタッフ数やサービス内容は個別に確認が必要。

在宅で利用する介護保険サービス(訪問介護、福祉用具、デイサービスなど)も組み合わせて利用できる。

一部のホームでは看護師、ケアマネジャー、理学療法士が常駐しており、医療行為やリハビリテーションも相談可能。

これらの共通点は、選択するホームによって具体的な内容が異なる場合があります。

違い

住宅型有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅の最大の違いは、国の省庁の管轄の違いです。

<住宅型有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅の違い>

・住宅型有料老人ホーム:厚生労働省管轄

・サービス付き高齢者向け住宅:厚生労働省と国土交通省の共同管轄

人員配置基準

以下は、介護付有料老人ホームと住宅型有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の人員配置基準の違いを表にまとめたものです。

項目 介護付有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
生活相談員 常勤 配置
看護師 常勤(入居者30名:1名以上) 配置または不在(ホームによる)
介護職員 常勤(入居者3名:1名以上) 訪問介護事業所のスタッフ(ホーム併設または外部)
ケアマネージャー 常勤(1名以上) 配置または不在(ホームによる)
機能訓練士 配置(兼務可) 配置または不在(ホームによる)
夜間対応 あり(夜勤スタッフ) 夜勤または宿直・不在(ホームによる)

1日の生活の流れ

住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅での1日は、健康と安全を考慮しながら、多様な活動やサービスが提供されます。以下は、一例としてのホームでの1日のタイムスケジュールです。

時間 活動内容 備考
7:00 起床 必要あれば起床介助を行う
8:00 朝食
9:00〜11:00 自由時間 入浴、掃除など
11:00〜13:00 昼食
13:00〜14:30 自由時間 入浴、洗濯など
14:30〜15:30 レクリエーション
17:00 夕食
21:00 消灯 必要あれば就寝介助を行う

レクリエーションはホーム内でレクリエーションを行う所もあれば、ホームでは行わないため外部のデイサービスに通う利用者が多くいるホームもあるなど、ホームによって対応は様々です。

どちらを選ぶべきか?

住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の入居先を選ぶ上で最も大事な点は、どの程度介護をしてもらえるのか、今までのライフスタイルと入居先の相性が合っているか」を見学やスタッフの説明の中で見極めることです。

万人に合うホームはなく、必ずホーム毎でサービスの特徴があり、また相性が分かれます入居者本人にとって快適に過ごせるところは果たしてどこなのかという視点で見ていくと、おのずとよりベターなホームを見つけられる可能性が高くなります。

まとめ

高齢者向けの住まい選びは、多くの要因を考慮する必要があります。自分自身や家族の健康状態、生活スタイル、そして何より安心して暮らせるかどうか。この記事が、皆さんの選択の一助となれば幸いです。

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この記事を書いた人

老人ホーム探しのリアルの中の人。日本のとある地域で数年前より老人ホーム紹介の仕事を始める。現在に至るまで、述べ1,000件以上の老人ホームの入居相談に対応。

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