老人ホームの入居相談を受けていて、意外と多いのが「そもそも介護認定ってどうしたらもらえるの?」という質問です。
介護認定は、介護保険を利用して介護サービスを受ける上で、外せないステップとなります。
<介護認定の種類>
①自立(非該当)・事業対象者
現在は自立して生活できている方
②要支援(1~2)
日常生活において、比較的自立して生活できているが、一部の生活支援を必要としている方
③要介護(1~5)
日常生活において、明らかに介助を必要としている方
介護が必要な状態でも、介護認定が無ければ介護保険を利用して、介護サービスを受けることができません。
介護認定手続きの流れ
介護認定の手続きは、下の表のような形で進めていきます。
介護認定結果が下りるまでの期間は、通常申請してから約1ヶ月かかりますが、申請が混み合い、1ヶ月半ほど認定結果が出るまで時間がかかるケースがあります。
認定調査
介護認定を受ける上で最も重要なステップが、「認定調査」です。
認定調査は、介護認定の専門の調査員が、主に介護認定調査対象の本人の自宅や、入院先の病院などに訪問して行います。
主に下の2つの点について本人に対して、聞き取りを行います。
<認定調査の項目>
①認知機能の確認
②身体機能の確認
認知・身体機能の確認
<認知機能の主な確認項目>
・ご自身の名前の確認
・ご自身の生年月日、年齢の確認
・認定調査当日の日程確認
・今の季節の確認
・今いる場所の確認
・物忘れについてご自身でどの程度感じるか など
<身体機能の主な確認項目>
・視力の確認(調査員が提示した資料が見えるか)
・現在の移動方法
・食欲があるか
・睡眠を取れているか
・手足の動作確認(ミラーリングできるか)
・寝返りがうてるか
・起き上がりができるか
・座位(椅子に腰掛ける)がとれるか
・歩行ができるか、どのように、どの程度歩いているか
・片足立ちができるか
・立位がとれるか
・立ち上がりができるか
・入浴をどうしているか(介助が必要か)
・爪切りをどうしているか(介助が必要か)
・排泄、排便をどうしているか
・歯はどうなっているか(歯があるか、入れ歯をしているか)
・歯磨き(口腔ケア)はどうしているか
・身だしなみ(洗顔等)をどうしているか
・着替えはどうしているか
認定調査時の注意点
認定調査では、第三者の人と接することになるからか、認定調査対象のご本人がいつもよりも張り切る方が非常に多いです。その場合、本来受けるべきレベルの介護認定が下りない場合もあります。
そのようなことを避けるために、認定調査時には下記の点が大切です。
<認定調査時の注意点>
①認定調査当日は普段お世話している家族や知人などが可能な限り立ち会う
②本人に対して頑張らずにいつも通りに振る舞うよう、事前に話し合っておく
③本人の前で話しづらいこと(普段の様子など)を、本人のいないところで調査員に伝えておく
介護認定手続きを地域包括支援センターで行うメリット
上記のように、介護認定申請は役所と地域包括支援センターどちらで行っても問題ありませんが、申請は地域包括支援センターで行うのがおすすめです。
地域包括支援センターとは、簡単に言えば公的な地域の福祉の総合相談窓口となっており、介護以外の高齢者の生活全般に関わることも相談ができる窓口となっています。
介護保険以外でもこんなことを相談しても良いのかな…ということでも、地域の役所でなく地域包括支援センターであればより具体的な相談ができるので、先々のことも踏まえて、まずは介護サービスを利用したい本人が暮らす最寄りの地域包括支援センターを訪れ、相談してみましょう。
Googleで「お住まいの市区町村+地域包括支援センター」で検索すると、最寄りの地域包括支援センターの所在地がすぐに調べられます。
まとめ
①介護認定の手続きには約1ヶ月~1ヶ月半かかる
②認定調査時にはできるだけ本人のことをよく理解している人が立ち会う
③介護保険以外のことも踏まえて、介護認定の申請は地域包括支援センターで行うのがおすすめ