介護付有料老人ホームは、一言で手厚い介護サービスを提供する、民間の老人ホームです。
手厚い介護体制
介護付有料老人ホームは、国がホーム内での人員配置などの基準を明確に定めています。
主な基準は以下の表のとおりです。

介護付有料老人ホームはサービス付高齢者向け住宅や住宅型有料老人ホームよりも介護職員が多く配置されていることが一般的であり、例えば寝たきりで時間問わず介護を必要とする方でも、24時間体制で介護を行うことができます。
看護師常駐で医療処置や難病にも対応
看護師は365日施設内に日中常駐しており、場合によっては24時間看護師が常駐するホームもあります。
看護師の存在により、利用者が医療的なケア(例:インスリン注射)が必要な場合でも対応が可能です。また、パーキンソン病を始め、国の指定難病になっている病気を持っていても、病気によっては入居相談が可能です。
主に対応可能な医療行為は、以下のとおりです。
<介護付有料老人ホームで対応可能な主な医療行為>
・インスリン投与
・バルーンカテーテル
・ストーマ
・褥瘡処置
・在宅酸素
・鼻腔経管栄養
・たん吸引
・胃ろう
ただし、医療処置を行う時間帯や内容によっては、ホームで対応できないこともあるため、事前に老人ホーム側と事前確認を行う必要があります。また昨今の看護師の人手不足の問題もあり、ホームによっては本来行える医療処置がキャパシティ不足で現在はホームで対応できないといった事例も存在します。
ケアマネジャーについて
ケアマネジャーについては、介護保険の制度上、介護付有料老人ホームに所属する専任のケアマネジャーが担当することになります。
リハビリも受けられる
介護付有料老人ホームの場合、看護師や理学療法士などのスタッフによるリハビリを受けることもできます。
週に数回、数十分受けられるところが多いです。
レクリエーション・イベントも充実
介護付有料老人ホームでは、週数回のレクリエーションやイベントも充実しています。

主に、以下のようなレクリエーションやイベントを行っています。
<介護付有料老人ホームでの行われる主なレクリエーションやイベント>
・脳トレ
・映画鑑賞会
・カラオケ
・おやつ作り
・塗り絵
・書き初め
・音楽鑑賞会
・お花見
・季節のイベント(節分・ひな祭り・クリスマス・お正月など)
介護付有料老人ホームの費用
介護付有料老人ホームは、手厚い介護やサービスが施される代わりに、ホームによっては入居時に「入居一時金」と呼ばれる費用を支払う必要があり、数百万円から数千万円、まれに億を超えるような入居一時金が発生する場合があります。
入居一時金の償却期間の考え方
入居一時金には、「償却期間」と呼ばれるものがあり、その期間はホームによって異なります。
具体的な例として、入居一時金が300万円、それを60ヶ月(5年)で償却するとしましょう。
<入居一時金300万円・償却期間60ヶ月(5年)の場合>
入居一時金(300万円)を償却期間(60ヶ月)で割る
→300万円 ÷ 60ヶ月 = 5万円を毎月償却
上記の例では、毎月5万円が償却額となります。
もし60ヶ月(5年)以内のタイミングで退去となった場合は通常、未償却分は返金扱いとなります。
ホームに入居後、5年(60ヶ月)経過した場合、入居者から受け取った入居一時金300万円をすべて償却扱いとなり、返金はなくなります。
老人ホームの償却期間は、ホームの契約内容によって異なります。また初期償却として入居一時金の3割は入居直後に償却するなど、入居前に入居一時金に関する契約内容は、よくホーム側と確認するようにしましょう。
また、入居一時金を0円にするプランを別に設定している介護付有料老人ホームもあります。
月々の費用
月々の費用は、主に下の4つの費用がかかります。
<月々の費用項目>
①家賃
②管理費
③食費
④介護保険料
具体的な月額は地域やホームによって異なりますが、地方でも20~30万円程度、都市部では月々数十万円、場合によっては100万円以上かかる高額なホームも存在します。
利用料金の例
下は、一般的な介護付有料老人ホームの利用料金の一例です。

入居一時金が複数のプランで分かれている場合、一般に入居一時金が高額なプランほど、長く居住することでトータルの費用負担は軽減されるので、入居を進める際には、どの程度の入居期間が見込まれるかを想定して、入居一時金のプランをどうするかを考える必要があるでしょう。
まとめ
<介護付有料老人ホームのまとめ>
・手厚い介護体制の整った老人ホーム
・医療処置やリハビリ、レクリエーションも実施している
・利用料金は入居一時金や月額費用が高額になりやすい