老後もペットと一緒に暮らすことは、多くの人にとって大きな喜びです。特に高齢になると、ペットは重要な心の支えとなることがあります。しかし、老人ホームでの生活を考えた時、ペットと一緒に入居できるかどうかは大きな問題となります。
ペットと暮らせる老人ホームの現状
前提として理解しておくべきなのは、ペットと一緒に暮らせる老人ホームの数は非常に限られており、1件もペットと暮らせる老人ホームがない都道府県があるのも事実です。
また、老人ホームのポータルサイトで『ペット可』となっている老人ホームであっても、実際に問い合わせてみるとペットとの同居は不可としている老人ホームもあります。
しかし、ペット可としている老人ホームでは、ドッグランが整備されていたり、犬や猫などと共生できるような工夫を凝らしている老人ホームも徐々に増えつつあります。
人とペットのお世話の違い
老人ホームでの生活は、利用者に対しての日々のお世話(介護)が不可欠です。人間のお世話と、犬や猫などのペットのお世話は、当然ながら異なるスキルとリソースを要求されます。従って、これらを同じ老人ホーム内で提供することは、それなりのリスクと挑戦を伴います。
犬や猫以外のペットとの同居の難しさ
犬や猫は一般的なペットとして、ペット可としている老人ホームでは受け入れを前向きに相談できますが、それ以外のペットに関しては、同居が難しいケースが多いです。
これは、特定の動物に特有のお世話の必要性や、老人ホームのスタッフへの負担、他の入居者への影響などが大きな理由として挙げられます。
民間の老人ホームで対応可能なペットのお世話
ペットと一緒に暮らせる老人ホームでは、主に下のようなお世話は対応できる場合があります。
・ペットフードの提供
・トイレのお世話
その他、オプションサービスとして外部の専門のペット業者に委託して費用を支払うことで、人間のお世話とペットのお世話を両立させているホームも存在します。
ペットと暮らせる老人ホームの月額費用の目安
そもそもペットと暮らせる老人ホームの利用料金は高額に設定されていることが多く、都市部になると中には入居一時金として数十万~数千万円、月額利用料も総額で30万円以上が目安となります。
更に、老人ホームの基本料金とは別に、ペット業者との提携費用やペットのお世話の委託料として月々最低数万円はかかる場合があります。
また、何でもかんでも老人ホームやペット業者にペットのお世話をお任せできる訳ではなく、老人ホームでは対応しきれないペットのお世話については、利用者本人、またはその身元引受人の責任となります。
特に利用者本人が老人ホームでの生活が困難となった場合やペットが高齢になってもペットのお世話ができるか、またはそのいずれかが起こった時に利用者の身元引受人がサポートできるかは、入居前に老人ホームから必ず確認されることでしょう。
まとめ
・ペットと暮らせる老人ホームはあるものの、その絶対数は少ない
・ペットフードの提供やトイレのお世話はしてもらえる
・ペットと暮らせる老人ホームの利用料金:入居一時金は最低数十万円以上、ペットのお世話代含めて月額30万円以上が目安
・老人ホームやペット業者で対応できないケースは利用者やその家族が対応する必要が出てくる場合がある