老人ホームに入居した後でもデイサービスを利用できるかは、結論としては施設の種類によって異なります。
デイサービスの利用は、入居者の生活の質を高め、社会とのつながりを維持する重要な役割を果たしますが、どの施設でも利用できるわけではありません。
ここでは、どのような老人ホームでデイサービスが利用できるのか、またその際の注意点について詳しく解説します。
デイサービスの利用が可能な老人ホーム
以下の種類の老人ホームでは、入居者がデイサービスを利用することができます。
<入居後もデイサービスが利用できる老人ホームの種類>
ケアハウス
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
住宅型有料老人ホーム
これらの施設は基本的に「住まい」の要素が強く、介護サービスは外部からの訪問介護(ヘルパーサービス)やデイサービスで補完されるケースが多いです。
デイサービスを利用することで、入居者は日中のレクリエーションや食事などのサービスを受け、施設の外部の人との交流を深められます。
さらに、デイサービスが同じ敷地内に併設されている施設もあり、その場合は移動が便利です。
その場合、雨や雪、台風などの悪天候の影響をほぼ受けずにデイサービスを受けることができるため、身体的負担を減らせます。


デイサービスが利用できない老人ホーム
一方で、以下のような「介護を主目的」とする老人ホームでは、原則として外部のデイサービスを利用することができません。
<入居後もデイサービスが利用できない老人ホームの種類>
介護付有料老人ホーム
特別養護老人ホーム(特養)
グループホーム
これらの施設は介護保険の制度上、日常的な介護サービスが施設の内部で提供されることが決まっており、外部の介護サービスを利用することができません。
その代わりとして、施設内のスタッフが24時間介護の対応をすることが義務付けられています。



デイサービス利用時の注意点
制度上はデイサービスを利用可能な施設であっても、施設毎にデイサービス利用におけるルールが定められている場合もあり、入居前の施設見学の際には事前確認が必要です。
また、施設内にデイサービスが併設されている場合でも、必ずしも併設のデイサービスを利用する義務はありません。
施設の入居前に元々利用していた、入居者本人が気に入っている外部のデイサービスを選ぶことも、制度上は可能です。
入居前に施設の利用ルールを確認する
施設によっては、併設デイサービスの利用が推奨される場合や、外部デイサービスの利用に制限が設けられているケースもあります。
入居契約前の段階で、デイサービス利用の可否や規定をしっかり確認しましょう。
老人ホーム併設のデイサービスの利用は、あくまで介護保険の限度額の範囲内まで
大前提として、老人ホームにデイサービスが併設されているからと言って、併設デイサービスを365日利用することはできません。
介護保険の限度額の範囲内で、ケアマネジャーが立てたケアプランに基づいて、利用頻度を決定します。
具体例:住宅型有料老人ホームのケース
例えば、住宅型有料老人ホームに入居したAさんは、施設に併設されているデイサービスを利用しています。
週3回、日中はリハビリとレクリエーションに参加し、体力を維持しながら他の利用者との交流を楽しんでいます。
悪天候でも敷地内で移動が完了するため、安全で快適な生活が可能です。
一方、併設のサービスではなく、元々利用していた自宅近くのデイサービスへ週1回通うBさんもいます。
老人ホーム入居後も自分に合ったデイサービスを選び、自由な生活を実現できています。
まとめ
老人ホーム入居後のデイサービス利用は、施設の種類に依存する
「ケアハウス」「サービス付き高齢者向け住宅」「住宅型有料老人ホーム」ではデイサービスの利用が可能
「介護付有料老人ホーム」「特別養護老人ホーム」「グループホーム」ではデイサービスの利用はできない
施設併設のデイサービスでなく、外部のサービスも選べる自由はある
事前に施設の利用ルールを確認し、自分に合ったデイサービスを選択することが重要である