老人ホームへの入居を進めるにあたって、最も大きなハードルの1つが、本人への説得です。
高齢者の方はご自宅への愛着が特に強く、死ぬまで家を離れたくないと言われる方も少なくありません。
本記事では、過去の相談事例から、主な説得方法についてまとめました。ご参考になれば幸甚です。
説得方法の例
<老人ホーム入居に向けた主な説得方法の例>
・リハビリの延長として、老人ホームに住んでリハビリを受ける提案をする
・自宅の改修費用が高額であることを説明し、賃貸アパート(老人ホーム)の方が経済的であることを伝える
・ショートステイを利用して、老人ホームの生活環境に慣れる機会を作る
・本人が心から信頼している人(主治医、ケアマネジャー、仲の良い親族、知人、友人など)から説得をお願いする
・入院中の場合、看護師のお世話がないと生活ができないことを理解させ、老人ホームでの生活を提案する
・デイサービスの見学を通じて、施設に滞在することを伝える
・良いアパートやマンションが見つかったことを話し、施設でのサポートが充実していることを伝える(老人ホーム、施設という表現を用いない)。
・実際に老人ホームを見学し、入居後の生活について老人ホーム側から説明を受けることで、現代の施設は綺麗で快適なため、納得しやすくなる場合がある
・引っ越ししても遊びにくる、会いに来る、今まで通りまたこれからもご飯食べに行こうねなどと諭す
説得する上で大事なこと
嘘をつかない
説得のために嘘をつくことは良くありません。後に真実が明らかになり、本人がそれに気付いた際に、大きな不信感や不満が生じる可能性があり、信頼関係が大きく損なわれる場合があります。
施設というワードを使うことを避ける
高齢者は、『施設』というワードに強い抵抗感を持っている方がほとんどです。
説得を行う際には施設というワードを用いず、例えば『アパート』や『マンション』といった、オブラートに包んだ表現を用いるようにしましょう。
真剣に本人と向き合って話をする
何より大事なことは、喧嘩してでも、涙ながらでも、本人と正面から向き合って話をすることです。
最も避けなければならないこと
最も避けなければならないこととして、そもそも本人に何も言わず、説得せずに、無理矢理老人ホームに連れてくることです。これは最も最悪な行為です。
そもそも老人ホームへの入居後に本人が強い拒否反応を示すと、即日退去もあり得るので、説得に関しては逃げずに向き合わなければなりません。
老人ホーム入居の際の本人への説得は明確な答えはなく、最も負担の大きい作業ですが、避けては通れない道です。
一人で抱え込まずに周囲にも相談し、1つ1つ課題をクリアしながら進めていきましょう。