民間の老人ホームの中でも住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅といった種類の老人ホームの一部では、生活保護受給者の方でも入居できる場合があります。
↓の記事で生活保護受給者の方でも入れる老人ホームの概要を解説しています。

生活保護受給者でも入れるのは良いけど、入居時や入居後の費用がどれぐらいかかるのか、それを支払っていけるのかが気になりますよね。
結論から言うと、貰われている年金+生活保護費で毎月の費用の支払いを行っていくことができます。
今回は生活保護受給者でも入れる、住宅型有料老人ホームや民間の老人ホームの費用について解説します。
生活保護受給者OKと書かれている老人ホームが入居対象
生活保護受給者の方でも入れる住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅では、一般的にパンフレットやホームページ上で『生活保護受給者入居相談可』と記載されています。
それが書かれていない老人ホームに関しては、生活保護受給者の方の場合は入居が難しい場合が多いですが、表には出していないだけで実は生活保護受給者の方でも入居の相談ができるホームも存在します。
生活保護受給者の方でも入れる老人ホームの情報は、各地域の老人ホームの紹介センターが情報を持っていることがありますので、一度相談されることをおすすめします。
高住連というサイトから、各地域の老人ホーム紹介センターの検索を行うことができます。


生活保護費で賄える老人ホームの費用
住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅といった民間の老人ホームに入居する場合、初期費用と毎月の費用がかかってきますが、生活保護を受給している場合、老人ホームの費用は生活保護受給者専用の料金設定となっています。
その費用を貰われている年金額から不足した費用を、生活保護費で賄うというのが基本となります。
初期費用
老人ホームへ入居する際の初期費用は、主に以下の費用がかかってきます。
<初期費用>
・敷金または入居一時金
・入居当月の基本料金
・入居次月の基本料金
老人ホームの初期費用は月初に入居するか月末に入居するかでも大きく変わってきますが、少なくても通常は数十万円単位でかかってきて、それを入居前に事前に準備しなければなりません。
しかし、生活保護受給者の方であれば、生活保護の担当ケースワーカーと申込みを行った老人ホームへの入居前に必ず連携する前提で、生活保護費用の中から捻出することができます。
毎月の費用
老人ホーム入居後の毎月の費用は、以下のようなものがかかってきます。
<毎月の費用(基本料金)>
・家賃
・管理費または共益費
・食費
・生活支援サービス費(サービス付き高齢者向け住宅に多い)
毎月の費用は、生活保護の中の「生活扶助」「住宅扶助」にあたり、毎月の年金額だけでは支払いきれない費用を生活扶助と住宅扶助で補うという形になります。
初期費用と毎月の費用の詳細は、↓の記事で詳しく解説しています。

介護保険サービスや医療費の負担はどうなる?
入浴介助やオムツ交換などの介護保険のサービスや医療費の負担については、生活保護の中のそれぞれ介護扶助・医療扶助で賄われます。つまり、介護保険サービスの対価としての介護保険料や医療費の自己負担はありません。
生活保護費で支払えないものはある?
老人ホームの入居費用は年金で賄いきれない分を生活保護で補うという話をしましたが、生活保護費で支払いができないものも存在します。
<生活保護費で支払えない主なもの>
・おやつ、嗜好品
・携帯料金
・散髪代
・掃除や洗濯用品(洗剤など)
これらは全て、自費(おこずかいの範囲)で支払う必要が出てきますので、注意が必要です。
特に携帯料金は月々数千円かかっている場合は格安SIMなどに切り替えたり、解約する必要が出てくる場合があります。
老人ホームの入居費用を生活保護費で賄うためには?
入居したい老人ホームが決まったら、まずは入居を希望する老人ホームのパンフレットを持参の上、市区町村の生活保護の担当ケースワーカーにいち早く報告しましょう。
担当のケースワーカーに報告し終えたら、ケースワーカーからは老人ホームへの入居手続きにあたってのやるべきことを通達されるはずですので、そのやるべきことを1つ1つ潰していくことが最優先事項となります。
老人ホームへの引っ越し費用は出る?
老人ホームに入居する際の引っ越し(荷物の運搬)費用は、生活保護費の中から捻出できる可能性が高いです。
生活保護の中に「一時扶助」という種類があり、この一時扶助から引っ越し費用が出るケースが多いです。
引っ越し費用の注意点
公営住宅に住んでいた方の場合、退去時に部屋の修繕費を支払わなければなりませんが、引っ越し(荷物の運搬)費用か部屋の修繕費どちらかしか生活保護費で捻出できないといったケースがあります。
もし市町村側で引っ越し費用か部屋の修繕費のどちらかしか出せないと確定した場合は、いずれかの費用を自費で支払わなければなりません。
もし自費での支払いをしなければならない場合、貯金の中で捻出するか、親族などの関係者が立て替え払いを行う必要が出てくるため、注意が必要です。
どこまで費用を捻出できるかは、目安の費用を老人ホームに確認の上、早めに市区町村の担当のケースワーカーへ相談を行いましょう。
まとめ
・生活保護受給者の方でも入れる老人ホームの費用は初期費用と毎月の費用は年金額+生活保護費から支払を行う
・生活保護受給者の方でも入れる老人ホームの候補は各地域の老人ホームの紹介センターへ相談するのがおすすめ
・入居先が決まったら、市区町村の担当のケースワーカーに報告、相談を行う
・公営住宅に住んでいた場合、引っ越し費用だけでなく修繕費も必要な場合は、必ず担当ケースワーカーと保護費が出るのか早めに相談する