特別養護老人ホーム(特養)とは?

今回は、特別養護老人ホームについて解説します。

目次

特別養護老人ホームの特徴

特別養護老人ホーム(以下、特養)には、主に下記の特徴があります。

<特養の特徴>

・目的:人生の最期を迎えるまでの日々を過ごすための公的な介護施設

・申込条件:原則、要介護3以上(※特例で要介護1・2以上でも入所申込できる場合あり)

・入所基準:必要性、緊急性が高い方々が優先される入居選考

・待機前提:常に多くの特養入所待機者がいる(待機者100人以上の特養も存在)

人生の最期までの時を過ごすための介護施設

特別養護老人ホーム(特養)は、入所者が人生の最期までを過ごすための公的な介護施設です。

元気な方はおらず、車椅子や寝たきりの方、認知症が進行された方など、自立して生活することが困難な方が入所して、スタッフのお世話を受けながら生活を営み、延命治療がない前提で、看取りまで行っていきます。

介護職員や看護職員など、スタッフの人数も介護保険法で定められていることから、一定以上の介護体制が担保されており、手厚い介護を期待できます。

特養入所の方法

入所条件

特養は要介護3から5の介護認定を受けた方が、入所申込の対象です。

ただ、特定の条件下では要介護1または2の認定を受けた方も、申し込むこともできます。

<要介護1・2でも特養に入所申込ができる可能性のある主な条件>

① 認知症の方で、日常生活に困難さやコミュニケーションの問題がよく起こり、自宅での生活が難しい状況

② 知的障害や精神障害があり、日常生活やコミュニケーションに問題が頻繁に見られ、自宅での生活が難しい状況

③ 家族による虐待があるかもしれない場合、または虐待の可能性があり、在宅サービスを利用しても生活環境が改善されないため、自宅での生活が難しい状況

④ 一人暮らしであるか、同居家族が高齢や病気で支援ができない場合、そして地域の介護サービスや生活支援サービスが十分に提供されないことで、自宅での生活が難しい状況

仕事での経験上、家族が介護者になれると判断された場合、①と②に関しては特例での申込が認められないケースがほとんどです。

住所地の最寄りの地域包括支援センターや、市町村の役所の高齢福祉窓口に確認して、入所条件として認められるかを確認する必要があるでしょう。

入所申込

申込方法は、申込む特養の「特別養護老人ホーム入所申込書」に必要事項を記入し、必要書類を添付して対象施設に提出します。

入所申込書の書式は、各自治体によって異なります。

「特養+住所地の自治体名」でGoogleなどで検索すると、その自治体にある特養の一覧が表示されることが多いです。

入所申込にあたっては、入所申込書だけでなく、担当のケアマネジャーや、内科の主治医の意見書が必要になります。

担当ケアマネジャーがいる場合は、ケアマネジャーに相談しながら申込を進めていきましょう。

担当ケアマネジャーがいない場合は、最寄りの地域包括支援センターや市区町村の役所内にある介護保険課や長寿課の窓口で相談するのが良いでしょう。

入所の決定方法

特養では、「優先基準」に基づいて入所の必要性を評価し、原則として点数が高い順に入所が決定されます。

例えば、特養と住所地が同じ市区町村であることや、要介護認定の数字が大きくなるほど、点数が高くなります。ただし、施設の適正運営のため、調整が行われる場合もあります。

特養の入所費用

特養の入所費用として、主に以下の3つの費用が必要になってきます。

<特養の主な入所費用>

①介護負担額:24時間365日施設が介護を行っていく上で必要な支払金額

②食費:1日3食分の食費

③居住費:居室の利用料(個室または2~4人の相部屋)

他にも、加算と呼ばれる細かい料金がかかってきますが、上の3つが料金の大半を占めます。

下の表が、特養の負担段階における、月々の費用負担の例です。

特養利用料の負担段階

特養に関しては、条件別に利用料金の負担段階というのがあります。

どの段階に該当するかによって、毎月の費用負担が変わります。

どれぐらい待てば特養に入れる?

特養は基本的に空室がなく、申込みを行っても待機が前提となりますが、待機期間は、申込んでみないとわかりません。

人によって早ければ数ヶ月で声がかかる場合もあれば、数年単位で待機しても呼ばれないケースもあります。

少しでも早く特養入所を進めたいという場合、1つの特養だけでなく、最低3~4施設は申し込みを行い、早く呼ばれる可能性を上げるしかありません。

まとめ

<特別養護老人ホーム(特養)のまとめ>

・人生の最期を過ごすための介護体制も整った公的な介護施設

・原則、要介護3以上から入所申込ができる

・入所待機者が多く、入所までの待機期間は全く読めず、複数施設を申込むことが早く入所できる可能性を高める唯一の方法である

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この記事を書いた人

老人ホーム探しのリアルの中の人。日本のとある地域で数年前より老人ホーム紹介の仕事を始める。現在に至るまで、述べ1,000件以上の老人ホームの入居相談に対応。

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